福岡から飛行機で東京に向かう。今日からとても楽しみな4日間のツアーが始まるが、ひとつとして退屈な夜は無いだろう。毎日が一期一会な最高の夜になるに違いない。初日は今年で5年目となる「東京30人弾き語り」だ。
一本のギターをひとり一曲、30人で弾き語るというこの企画は自分の主催だけど、当日は長い紙に30人の名前を書いて貼るのが自分の仕事で、あとはひたすらお酒を呑んでみんなの歌に酔いしれるだけ、というとても贅沢でご褒美みたいな企画だ。
出演者のみなさんはボギーのギターを弾くので、みんな手ぶらで会場に来れるという気軽さも良い。ホントこの企画は発明だと思ってる(笑)。
今年も、一緒に飲みたい人、歌を聴きたい人、最近出会った人、など30人の音楽家が月見ル君想フに集まって夢のように楽しい時間を過ごした。
この企画にずっと出て欲しかったナカムラさんや、赤ちゃん連れて出てくれたズクナシの衣美ちゃん、みんな日本中を旅してる仲間。ウリョンもね。こうやってみんないっぺんに会える夜はなかなか無い。
もう始まる前から楽しすぎるのだ(笑)。
では、全出演者レポしていきます!
1)ナカムラ(モアリズム)
一番目からナカムラさんとか贅沢なオープニング!モアリズムで年中ずっと全国を旅していたからなかなかこの企画に出てもらえなかったけど、やっとタイミングがあったのだ。最高の歌声と佇まい。歌った曲はここには書けません(笑)。
2)ぼく脳(NATURE DANGER GANG)
楽器弾けない芸人のぼく脳くんから「弾き語り練習しなきゃダメでした…?」と3日前にメールしてきたので「ダメ」と返したら、3日でめちゃオモロい曲を仕上げてきて流石!と思った。「♪今の加トちゃん見てらんない、昔の加トちゃんずっと見てられる~~」のメロディーが頭離れん。
3)横沢ローラ
出てきた瞬間から可笑しなオーラが出てるローラ。しゃべりでは空気を和ませるキャラだけど、ひとたび歌いだすとすごい世界観でアッという間にみんなを虜にしちゃう。面白いなあ。
4)戸渡陽太
歌う前から研ぎ澄まされた空気を醸し出していた。福岡でよくラウンジサウンズ出てた頃から歌ってる「ギシンアンキ」を刺すように歌う。会場をピリッと引き締めるいい選曲。
5)ムスキ・アルバボ・リー
言語を放棄した何語でもない言葉を、謎過ぎる発声法で歌う怪人。曲も独特で、イカレタ組曲のよう。マイクを通さずに生声だけで会場全体にばっちり聴こえる声のデカさもヤバい(笑)。
6)天野明香
明香ちゃんはホワイトベリーの由紀ちゃんと一緒によくボギーのライブを見にきてくれる。いつも由紀ちゃんがこの企画でてたので今年は明香ちゃん誘えて良かったな。おそろしく緊張してたけど(笑)。
7)上田健司(KENZI&THE TRIPS、the PILLOWS、東京ノントロッポ、ほか)
「小泉今日子さんに書いた曲です」って言って歌いはじめた「samida-rain」、いいなあ、いつかおれも「小泉今日子さんに書いた曲です」って言って歌ってみたい。数々の大舞台に上がってるウエケンさんはこの企画ほど緊張するステージは無いと言う(笑)。
8)ケイタイモ(WUJA BIN BIN)
9)下津光史(踊ってばかりの国)
この日は下津からも「ぼくも3人目が生まれたんですよー!」と笑顔で報告をうけ乾杯する。なんだかめちゃ緊張してる下津、出だしで声が裏返る。
10)回文ブルース
ギター弾けない回文くん、ほぼギター弾いてない。回文で岩手復興を歌った。最後は「人間その根源に!」のコール&レスポンス。もちろんこの言葉も回文。
11)西尾大介(ALOHA)
昨年の30人弾き語りで酔っぱらいすぎて帰り道で帽子も携帯も財布も何もかも無くしてしまった西尾。奥さんから猛烈に怒られたらしい。そのことを今年歌にすればウケたのに(笑)。今年も安定のスベリ気味。
12)三輪二郎
いつもほんとシビレるブルースを歌う。しゃがれ声も巧みなギターもふてぶてしい佇まいも、ぜんぶ良い。そんな二郎くんがこの企画をいつも心底楽しんでくれてるもの嬉しい。
13)YUKARI(Limited Express(has gone?)、ニーハオ!)
14)FUCKER(less than TV)
そんなYUKARIちゃんの旦那FUCKERさんは超高速パンクナンバー叫び倒しソッコーで会場を沸点まで盛り上げた。叫び倒す最高のパンク夫婦!このあと二人は映画「MOTHER FUCKER」の舞台挨拶へ直行。
15)氏原わたる
FUCKERさんが使ったビールケースにそのまま座って歌いだした、FUCKERさんもわたるくんも5年連続でこの企画に出てもらってるのは、やっぱり毎年その歌が聴きたいからなんよなあ。あとわたるくんは朝まで酒に付き合ってくれるしね(笑)。
飛び入り枠)座間三郎
東京30人弾き語りには31人目の枠がある。飛び入り枠なんだけど、「誰か歌いたい人!」って言った瞬間に「ハイッ!」と食い気味で手を挙げ「千載一遇のチャンス!」とか言いながらステージ上がってきた座間三郎という方の過剰なくらいややこしいキャラが面白くて会場の空気が和んだ(笑)。わたるくんがせっかくカッコ良く「死なないで」って歌ったのに、座間くんが「死んじゃった〜」って明るく歌って台無しにしてたのもミラクルな流れやったなあ...。
16)岡田靖幸
17)姫野たま
地下アイドルのたまちゃんもこの企画のためにギターを練習してくれた。岡田くんよりぜんぜん上手かった(笑)。岡田くんもたまちゃんも酒井少年も今年のフェスボルタで出会ったのだ。
18)sei(ju sei)
このギター弾けない枠こそ30人弾き語りの醍醐味であり、今年もそれぞれの見せ方でそれぞれの歌を聴かせてくれて、ギターが拙いことが逆に温かい味わいになってる。見つめるお客さんの眼差しも温かかった。
ウケまくった酒井少年のあとで若干やりにくそうに出てきたウリョンだけど、歌いだせば一気にウリョンの世界に。歌の最後に加川良の「教訓1」を織り交ぜて歌ったんだけど、ここから後半の良い流れになっていく。
22)衣美(ズクナシ)
衣美ちゃんにもこの企画はずっと出て欲しかった。そして歌って欲しかった「we sing one voice」を歌ってくれて感動した。この曲は本当にもっとたくさんの人に届くべき名曲だと思う。ずっと歌い続けてね。
23)石川浩司(パスカルズ/ex.たま)
「おじいさん」って最初歌ってたのが途中から「ボギーさん」に変わってて「ぼくは子供がいないからお父さんにはならないしおじいさんにもならないけど、ボギーさんはそのうちおじいさんになる、ボギーさんおじいさんカミングスーン!」で見事に終わって爆笑をさらう。さすがウマい!
24)中川五郎
大槻さんもほぼ毎年出ていただいてる。この企画の後半に大槻さんが酔っぱらって歌ってくれるのを見るのが好きでたまらない。知久さんから「ハーモニカの音がはずれてるよお」とツッ込まれてたのも可笑しかった。
27)知久寿焼(パスカルズ、ex.たま)
東京30人弾き語りも後半になってくると楽しすぎてすっかり酔っぱらってしまう、そんな状態で聴く石川さんや知久さんの歌声はずーっとたまが好きで聴き続けた30年間がぐるぐる回って不思議な気持ちになるのだ。こんな幸せで贅沢な時間ってほかにあるだろか?今年は「でんちう」が聴けた。
28)有馬和樹(おとぎ話)
いつも良い曲を歌ってくれるんだけど今年は「スマイル」。ああ、いいねえ。おれはもうすぐ出番だから舞台袖で後ろから有馬の歌を聴いている。この瞬間も好きなひととき。
29)井上周一(folk enough)
で、そのまま「贈る言葉」に突入!
ボギ八先生胴上げからの、
出演者勢揃いで大団円!!!
同じギターを弾き回すのって、酒の盃を回し飲みするのに似ているかもしれない。また来年も「東京30人弾き語り」でみんなと緊張したり笑ったりしたいな。本当にみなさんありがとうございました!