１１月２９日。

ボットンズの「ロックンロール」を全バンドカバーするという前代未聞な課題曲ナイトは、一番目から最後のボットンズまで全てがベストパフォーマンス！とにかく最高に痛快な夜だった！！！そもそも「ロックンロール」という曲自体がスパンクスという地元バンドのカバーであり、そのスパンクスもジョニーファイブというバンドのカバーなのであった。つまりカバーのカバーをさらにカバーするということになる、一挙に８バンドが（笑）。その中にはあの三宅伸治さんも入っている。なぜ三宅さんが平日ブッキングのラウンジサウンズに、しかもボットンズナイトに出ることになったのか？その理由はあまりに泣ける話なので、勿体ぶってあとから話そう。

ラウンジサウンズのオープニングはいつもボギーの弾き語りからはじまる。ボットンズの「ロックンロール」は「♪サイコーの酒とォ！サイコーの女ァ！サイコーの酒とォ！サイコーのロックンロール！」と歌詞はこれだけだ。そこにボギーの「BON-ODORI」を混ぜてアレンジした。気に入ってる。

一番目はFIYO。久しぶりにステージ上がったEちゃんはハジケまくってた。鮫肌のモクヘンさんが横で大人しくギターを弾いている。Eちゃんは髪を振り乱しながらモクヘンさんを指さし「このヒモ男を金銭的に面倒みているサイコーの女は私だァ！！！」と叫んだ。最近付き合ってるのは知ってたけど、ここで言っちゃうんだ（笑）。ロックンロールだった。


間髪入れずにサブステージでmichiさんが雄叫びをあげる。ドラム缶のような巨体でフロアに飛び出し、くるくる回り、飛び跳ね「サイコーのォ！ロックンロール！！」と拳を振り上げた瞬間、ドラム缶からガソリンがブチまかれたように会場全体に火がついた！


一銭めしやは一転してニューオーダー的なディスコ調にアレンジを変えた「ロックンロール」！こーいうの聴きたかった！アレンジはこの日いちばん秀逸だったかも。


サブステージでカシミールナポレオンK、青いヅラをかぶり、ボットンズの革ジャンを黒ビニールで再現（爆笑）！まったくロックンロールのかけらも無いしょぼいカラオケだったけど、ジャンプの高さだけはこの日いちばんだったのがまた爆笑！


ポカムスはぐいぐいと野蛮に盛り上がっていき最後はぐちゃぐちゃにアレンジした「ロックンロール」それもまた最高のロックンロール！



サブステージでオクムラユウスケ。一曲目からギンギンでボットンズの「最下層エンターテイメントパンク」をカバー、ボットンズっぽいオリジナルを作ったと「シド＆ナンシー」、最後に自身の「動物大図鑑」と「ロックンロール」を混ぜて盛り上げまくってくれた。ユウスケの気迫は、下準備の入念さからも伝わってくる。決して勢いだけでやらない男だ。



さあ、ここまででもう充分に濃い！イベントとしてはすでに大満足なんだけど、この流れで今夜のゲスト、三宅伸治さんの登場なのだ！ステージにカーテンがひかれ、その向こうで三宅さんがセッティングをしている。信じられない、あのタイマーズの、あのモジョクラブの、あの忌野清志郎の横でずっとギターを弾いていた三宅さんがラウンジサウンズにいる。

どーいう経緯でそうなったのか？話は２ヶ月前に遡る。ブードゥーラウンジの店長小屋敷さんから「ボギー、11月29日のラウンジサウンズな、ひと枠ワシにくれんかの？」とお願いされ「いいっすよ、誰か来るんですか？」と聞くと「まあ、お楽しみに（笑）」とニヤリ笑った。数日後に小屋敷さんから「お世話になってるボギーにワシからのプレゼントや」というメールでそれが三宅伸治さんだと知りブッたまげた！清志郎好きの俺を喜ばせたくてわざわざ三宅さんを呼ぶなんて、小屋敷さん....なんというスペシャルなプレゼントを！！

いよいよ三宅さんのライブが始まる。ブードゥーのカーテンがサーッと開くとそこにはギターを持った三宅さんに加えて、ドラムに梶浦さん、ベースに長野さん、サックスに小屋敷さんというバンド編成！！！！え！？まじで！？？



そうこの日のラウンジサウンズは主催ボギーを驚かすために店長小屋敷さんが仕組んだ壮大なるサプライズナイトだったのである。


俺は三宅さんが梶浦さんたちとバンド編成で出てくれることぜんぜん知らなかったし、最後「雨上がりの夜空に」で三宅さんから「カモン！ボギー！」ってステージ上げられることも知らなかった。

俺はいつか清志郎に「カモン！ボギー！」ってステージに呼び込まれて一緒に「雨上がりの夜空に」を歌うのが夢だった、でもその夢はもう叶わないと言う話を飲みながら小屋敷さんにしたことがある。
 

それがまさかのラウンジサウンズで、こんな形で叶えてもらうことになろうとは。本気で嬉し泣きした。三宅さんのギターの横でこの歌を歌えたこともだけど、小屋敷さんがきっと三宅さんにお願いして最後の「雨上がり」をボギーに歌わせてくれたってことが伝わってきて嬉し泣きした。もう愛しかない。


 
ほかにも「土木作業員ブルース」や「デイドリームビリーバー」「JUMP」なども聴けたし、もちろんボットンズの「ロックンロール」もカバーしてくれた！ラウンジサウンズは狂喜乱舞の大盛り上がり！！ サイコーのロックンロール！！！

で、まだ終わりじゃない！もうお腹いっぱいだけど、まだ終わらせないのがラウンジサウンズ！大トリはザ・ボットンズなのだ！いつものステージでいつものボットンズがいつもの曲を歌ってる！そしていつものようにフロアはめちゃくちゃな大騒ぎ！！！やっぱこれだろ！




世界中のどんなロックフェスにも負けない夜がド平日のラウンジサウンズにはある。ぜんぜん知られてないけど、いつかきっとわかってもらえるさ。俺らなにもまちがってない。



三宅さん、梶浦さん、長野さん、ありがとうございました！そして小屋敷さん、サプライズを本当にありがとうございました！
ブードゥーラウンジは最高のハコだ。愛だ。


打ち上げで、三宅さんからいっぱいお話きけた。歌うときあんなに大きな声なのに、しゃべるときの声はめちゃ小さい三宅さん（笑）、少しも聞き逃さないよう必死に聞く。




夢みたいな夜だった。

gigiの壁にハイコレのチラシ141枚を貼りめぐらせた展示会『ヨコチン20年展』が始まった。壁にぜんぶ貼る作業だけで３時間もかかってしまい、へとへと（笑）。しかし、こうやって自分がデザインしたチラシを並べてみたことなかったから壮観だなあ。


チラシの一枚一枚に思い出が詰まっており、ぜんぶちゃんと思い出せる。


パソコンが無い時代のチラシほど、やっぱり試行錯誤して苦労したぶん思い出が深かったりする。



「ハイコレ通信」のバックナンバーも並べた。


あと初期のカセット作品「ヨコチン宅録大百科」などもダビングして持って行ったが、即売り切れてしまった。


ヨコチンレーベルが２０年間で創作した作品は音源、紙媒体だけでも凄まじい量がある。ぜんぶひとりで作ったんだからさすがに気が狂ってるなと我ながら思ってしまう。

オープニングイベントは、鈴木拓也→カシナポK→オオクボT→林まゆの順。いずれもヨコチンを彩ってきたスター達であるが、さすがにこの四人が並んだのは初めて。

 

酒乱が理由で絶交してたので10年ぶりに会った鈴木拓也、昨夜はお酒を一滴も飲まずにシラフでいた。ライブも「オムライスフォーエバー」「鳥のリレー」などベストソングを連発、最後に新しい曲を歌うというニクい演出で、あいつなりに反省して、まじめに今日のステージに挑んでくれたんだな。相変わらず顔が面白い。


 

出演者も濃いが客席も濃かった。松浦さん藤田さん鹿子さんミチさんセジさんなど目の肥えた方々に見守られカシナポKは激しく緊張の様子（笑）。本人はスベったと思い込んで、終わったあと「すみませんでした」って謝りに来たけど、あれは18年間もやり続けてきたカシナポへのリスペクトの眼差しだよ。

 
ヨコチンイベントに久しぶりに出てもらったオオクボT、笑いの神が降りてきたというよりもはや笑いの神そのものになってしまったかのような面白さ！ほんとに涙出るほど笑い転げた。長い迷走期からぽーんと抜け出していきなり人生のベストライブを叩きつけてきたようなステージ！見れて良かった！

 

最後は林まゆ、あんなに不安定な人なのに安定した面白さが常にあるって凄い！オオクボさんは初めて林まゆを見たらしく「やばいやばい！」ってずっと爆笑してたが最後にステージに呼び込まれてテープでぐるぐる巻きにされてた（笑）。ヨコチンスター達の時を越えたコラボになんだか感動してしまった。