ボギーの悪趣味音楽作法

「ヨコチンレーベル」代表。ボギー弾き語りのほか、バンド「ボギー家族」「nontroppo」「東京ノントロッポ」「奥村靖幸」。イベント「ハイコレ」「ラウンジサウンズ」主催。などなど、日々を祭りのように生きるボギーの日常をレポするブログ。 ヨコチンレーベル http://yokotin.xyz ボギーのTwitter @BoGGGeY ボギーのインスタグラム @yclabel_bogggey 息子のブログ「モンド今日の絵」http://mondo-art.blog.jp/ 娘のブログ「今ちゃんぽ」http://imachanpo.blog.jp/

2014年02月

1月30日。 

佐賀の朝、ヤノくんの部屋で目を覚ます。昨夜は打ち上げなかったのでそんなに呑んでおらず、爽やかに目覚める。ホテルに宿泊してたイズミちゃんが車で迎えに来てくれて、ヤノくんとはお別れ。お世話になったぜ〜。 

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諫早までふたりでドライブ中、イズミちゃんといろいろ話す。 

イズミちゃんのブログで「裸で抱き合っても絶対なにもない男ベスト10に入る男ボギー君と車で一緒に移動するのは楽しいし楽チンだ。普段ゆっくり話せない事を話し合う。 
ボギー君と一緒にいると、良く言われる男女間の友情みたいな存在感を強く感じる。」と書かれていたが(笑)まさにそれ。おれも同じこと思ってた。 


ゴトウイズミのブログ(おもしろいよ) 



「お昼ご飯どこで食べる?」って話になったとき、たっぷり時間もあるんで牡蛎小屋で焼き牡蛎が食べたいな〜と思ってたおれは「この辺は美味しい牡蛎小屋がいっぱいあるらしいよ」なんて何気なく誘導作戦に出たが、イズミちゃん「牡蛎なんかもう飽き飽き、なんで広島からきて牡蛎食べないかんの〜」と0.1秒で返されて即却下...ま、そりゃそーだわな(笑)。 

結局、家庭的な定食屋でちゃんぽんを食べた(さすが長崎、美味い!)。 


さあ、今夜の会場である諫早ニュートラルに到着、窓の無い不思議なビル。中の構造も入り組んだ不思議な間取り。なんかめちゃ面白いスペースだなあ。(あとで聞いたら元々ヤ○ザの事務所だったらしい、あ、だから窓ないんだ。) 


でも内装とか装飾とかいちいちセンス良くって楽しい。カフェとクラブとギャラリーが一緒になった感じ、置いてある本もわくわくする本ばかり。 

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マウンテンラブのカレーも出店してたのでチキンカレー食べた。VELOCITYUTのドラム、ユウタくんのお店。 

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ここの社長さんケンゴさんもオシャレな変人って雰囲気で、気が合いそうだと思ったらやっぱり同い年(笑)。イカ天の話で盛り上がった(笑)。 

イズミちゃんはニュートラルをかなり気に入った様子で、珍しくハイテンションになってた。そのハイテンションさのもうひとつの理由は、今回の企画をしてくれたのがVELOCITYUTの山下くんで、イズミちゃんが福岡にいた時代の弟分みたいな存在だったらしい。久々に弟に会えて嬉しいんだろな〜。 



早く来すぎてたのでおれはひとりで街をぶらつく。

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人通りの少ない商店街、若者の姿がまったく無い。良い雰囲気の飲み屋を捜すが、それも無い。50分ほど歩いたけど、飛び込みたくなるようなお店には出会えなかった。リハの時間も近付いて来たので諦めて帰ろうと思ったとき、「彩」という小さな呑み屋の「晩酌セット(生ビール+一品料理+小鉢3種)800円」という貼り紙を見つけた。 

ロール白菜が美味かった。これで800円は大当たり!良い気分だ。 

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リハの時間に遅れて会場に戻ることになったが、まだリハは始まっておらず機材のセッティング中。ずいぶん経ってやっとリハが始まり、全ての準備が終わった時点ですでにオープン時間を大幅にオーバー、お客さんはすでに何人か入ってきて呑んでる。 

ガムテープ男こと森耕さんや、ミッキーが来てくれて嬉しい。ミッキーはもの凄いペースで酒を呑んでて、おれにも奢ってくれたりした。ミッキーの顔はほんとに良い顔で、ミッキーの顔を見てるだけで笑いが出てくる。 

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開演予定時間を1時間以上すぎた頃、やっとイベントスタート。おどろくほどルーズだ。佐世保の地球屋もやっぱりこんなタイム感なんだけど、このルーズさは長崎地方独特の文化なんだろうかなあ?お客さんも出演者も誰も何も言わずに楽しそうに和気あいあいと歓談してるところをみるときっとそうなのだろう。郷に入っては郷にしたがうべきなので、おれもビール呑んで楽しく過ごす。 

こういう現場で「地下音楽現場物語」を上映できるのはとても理想的なことだと思う。 


最初は10年ぶりに再会した金子さんが最初にギター&ピアノのデュオで登場。(ボギーとは10年ぶりだけど、イズミちゃんとは20年ぶりの再会らしい)その昔、福岡時代はバリバリのハードコアバンドのギタリストだった金子さん、今はジャジーでスウィンギンな歌とギターを諫早で聴かせているんだなあ。MCもおもろかった。 

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続いてイズミちゃんのライブ。会場にふつうに犬がトコトコと入って来て、演奏聴いてる(笑)。おもれーな。 

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そして、映画「地下音楽現場物語」の上映。終わっていろんな人が感想くれる。ちゃんと観てくれてうれしい。映画の中にも登場する「ラウンジサウンズ紅白歌合戦」を当時、観に行ったというお客さんもいた。 

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映画の後、ボギーのライブ。諫早はシャイなお客さんが多いと聞いていたので、あえて「ERIMO岬」をぶっ込む(笑)。 


終わって、CDがすごく売れてびっくりした。シャイだと聞いていたが、人付き合いがあまり上手くはないだけで、実は優しい人が多いなと感じた。 



それは打ち上げでも感じたことで、あんまし打ち上げとかやりたがらないらしい山下くんが「ボギーさん打ち上げ好きだから」とやってくれたこと。8人くらいで佐世保のバンドマンならココ!らしい「まさ」という呑み屋へ連れてってくれた。店主のおっちゃんが名物らしい(笑)。 

ミッキーが「ぼく常連なんで!」って張り切って「おやっさん!刺身美味いの入ってます?」といかにも常連っぽく聞くが、おっちゃんに完全無視されるミッキーに爆笑。 
3回目の「刺身あります!?」でやっとおっちゃんがのっそりとやってきて「お前、めったに来んやろが!」と突き放されるミッキーにまた爆笑。 


出てきた刺身の盛り合わせはさすが港町!めちゃくちゃ新鮮で美味い!! 
ゴキゲンだ!!! 

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しかし、ツアーも6日目となればずいぶん疲れが溜まってたんだろな。気付けば酔いつぶれコックリコックリ寝てしまってた。 


朦朧としながら車に乗せられ、今夜泊めてくれるテルくんの家に運ばれた。テルくん家は大きなお寺だった。

1月29日。 

今日から「地下音楽現場物語」の上映ツアー、ボギー×ゴトウイズミで佐賀、諫早、福岡を回る。今夜は佐賀ROCK RIDE。 

ROCK RIDEの店長ユミコさんは佐賀のバンドシーンに欠かせない、女帝のような存在であろうか?テキパキしててサバサバしてて、そしてミステリアスでもある。イメージは野際陽子だ。ありがたいことにボギーは気に入ってもらえて、2年ほど前から頻繁に誘って頂いてる。 

今夜は広島の女帝ゴトウイズミと佐賀の女帝ユミコさんが始めて出会う(笑)なんかわくわくしてた。イズミちゃんはさっそくユミコさんのことが気に入った(気になった)らしく、ユミコさんにいろいろぐいぐいと会話を弾ませている。 


おれはリハを終え、ひとりでふらりと呑みに出た。佐賀の若いバンドマンに「この辺、安くて、美味くて、雰囲気良い大衆居酒屋ってある?」って聞いて教えてもらった「ニーハチマル」という居酒屋にいったんだけど、あ〜、やっぱダメだな。ここ全メニュー280円の激安居酒屋やん、こーいう店は大体ハズレる。たしかに安いけど、味も雰囲気も安いから、気分が安っぽくなる。 

1杯だけ呑んで戻ろうと思ったらBe here now!のヤノくん来てくれたので、もう1杯。 


会場に戻ると、お客さん集まってくれてた。明日香ちゃん、白痴まるくん、ヤオヨロズの宮崎くん、松本カツヒロくん、コガくん、マリリン、などなどなど。バンドマンが多くて嬉しい。

最初はヤノタカヒトのステージ、とても良い。歌がスッと入ってくる。スッと伝える才能をヤノくんは持っているんだろうな。 

続いて、heratland。ななこちゃん今夜は舌好調!!ジンさんをいじめつつ酒グイグイ呑みながらパーーンとした歌声で歌う。ワイルドな女だ。ジンさんのベースも最強のテクニシャンぶり。こんなカッコイイふたりが、音楽の世界で無名なのが不思議で仕方が無い。 


ヤノくんもななこちゃんも、この日の対バンで良かったなあ。どちらも大好きな音楽家だし、友達だし。 


いよいよ佐賀で映画「地下音楽現場物語」上映。 
佐賀と福岡のバンドマンは交流も盛んなので、ポカムス藤田さんや一銭めしや村里さんなどが映るたびに「ワァ!」と笑いが起こる。 

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終演後みんな口々に「素晴らしかった」「感動した」と言ってくれる。やはり、映画って直接感想をもらえるのが一番嬉しいね。 


で、イズミちゃんのライブ。今夜は初の佐賀だからだろう、ネタもずいぶん仕込んで面白いステージだった、特に「ユミコさんの歌」はROCK RIDEのユミコさんのことを即興で歌にしたもので、よくもまあ出会った数時間後にこれほど的確に人を見抜いた歌作れるもんだなあと感心した。リハのときに、やたらぐいぐいと入念に質問してたのはこのためか〜(笑)。さすが。 


最後はボギー、この時点で11時過ぎててだいぶ押しちゃってた。歌い終わったのは12時過ぎ。でも面白かったなあ。 
「ERIMO岬」でミュージックスタート!って言ったら、間違ってイズミちゃんのシャンソンSE流しちゃったPAさんのあやまちは、逆に大爆笑を生んだのでグッジョブとしよう(笑)。 

おかげでボギーのダンスのキレも異常に良くなったし(笑)。 

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イベント終了し、バーカウンターでわいわいと楽しい時間。イズミちゃんは佐賀に来るのが初めてらしいんだけど、ユミコさんと意気投合しててなんか嬉しかったな。いわゆるデキル女同士ってやつだ。 


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イズミちゃんはラーメン食べに消えた。 

おれはヤノくんと酒場を求めて歩き回ったが、佐賀の夜ってほんと静か。車ぜんぜん走ってないし、人もいない。もちろん居酒屋も開いてない。でもヤノくんといろいろしゃべりながら歩いたのは楽しかったな。 

40分ほど歩いたところで気になるラーメン屋があったので「ここ入ろう!」って言ったら、どーやらヤノくんの行きつけらしく。330円とは思えない美味いラーメンだった!正解!!


ヤノくんの家に泊めてもらった。キタネー部屋だった(笑)。 



でもありがとう。妙に落ち着く部屋だ。 

1月28日。 

9連チャンのライブツアー、4日目は福岡で通常のラウンジサウンズ。今夜はとても耳にも心にも優しい音楽の夕べ。あ、そうだ。今日はどんとの命日である。開演前の音楽はローザ・ルクセンブルク、ボ・ガンボス、どんと。 

ボギーのオープニング弾き語りも、どんとの曲「夢の中」を歌った。 


昨年の夏あたりからラウンジサウンズでは「前打ち上げ」というものをよくやるようになった。リハーサルが終わった出演者から順にVooDooの近所の呑み屋でかるく乾杯してわいわいバカ話をするだけなのだが、もちろん、ライブ前はお酒を呑まないという人もいるので、あくまでも希望者のみで打ち上がる。この時間がとても楽しい。 

今日は「家康」で焼鳥を食べながら、if MASACAさん、吐血少女、cuvboysと前打ち上げ。このちょっとした時間があるか無いかで、イベントの空気感はぐっと変わる。ほぐれるのだ。 



この日、もっとも心を撃ち抜かれたのは、垣内美希さんのライブ。やっぱり垣内さんの歌はすばらしー。素晴らしすぎて強引にアンコールを要求。好きな曲「あじさいの恋」をリクエストした。 

昨年いろいろ聴いたCDの中でもお気に入りは垣内さんの1stアルバム「朝焼けのうた」。福岡ならgigiとか、高円寺の円盤でも買えます。 
http://enban.cart.fc2.com/ca41/3209/p-r-s/ 


続いてif MASACA、cuvboys。この流れは完璧だと思うんだけど、どう? 


「マジックは平日に起こる」if MASACAさんから名言が出た。そんな夜。 


特になにか起こったわけではない。盛り上がったというわけでもない。でも空気が特別に澄んでる夜がある。最後のcuvboysのキラキラした混沌も美しかった。 




打ち上げはビンゴラブ。イクマさん、cuvboysオカダくん、TrashAreaトラッシュくん、SOLAR野口さん、フアリナ林田さん、小林ボードウォーク。男しかいない(笑)これはこれで楽しい酒だ。 



明日からは広島からゴトウイズミちゃんがやってきて、ふたりで九州ツアーがはじまる。 


まだまだ続く。

1月27日。 

今日は9日連続ツアー3日目、岩国〜尾道ツアーを終えて高速バスで福岡に戻る。今夜はVooDooでラウンジサウンズの新企画〜課題曲シリーズ〜「サティスファクションナイト!」だ。

学生時代に合唱コンクールで課題曲ってあったやろ?そんな感じで出演バンドに課題曲をライブ中どこかで必ず演奏してもらうという主旨。今年はこの企画を毎月1回、計12回開催するつもり。 

その第1回目の課題曲がロックの定番中の定番ローリングストーンズ「サティスファクション」だ。デッデーデデレーデデレデレの印象的なギターリフ、あのリフをどうアレンジするかが今夜の肝だ。 
ちなみに、今夜の参加バンド5組はいずれも熱烈なストーンズファンではない。「まあ、ふつーに好きっす」とか「聴いたことはあります」くらいの感じ。あえて、ガチのストーンズファンじゃない方が新しい切り口の「サティスファクション」が聴けるかも、という期待も込めて。 


オープニングはボギー弾き語りで日本語意訳によるブルース調の「サティスファクション」、岩国ツアー中に楽屋で作った新曲。 


1バンド目、カルキンズ。 
1曲目からいきなりサティスファクション!随所にジミヘンの「パープルへイズ」のリフを散りばめたフェイク感いっぱいの面白いアレンジ。さしずめパープルファクション(笑)?でもなぜ課題曲を早々と1曲目にやっちゃったのか。そのあと失速気味。 


2バンド目、Es Experiment。 
こちらも1曲目からいきなりサティスファクション!ドラムのタクロウがルーズ&ワイルドに叩きながら歌ってた。もっともっと崩壊寸前ギリギリくらいまでルーズにやれてたらもっとかっこ良くなるんだけど、1曲目にもってきたからやや力が入ってルーズになりきれてなかったかなあ。 


3バンド目、BLUESVILLE。 
またもや1曲目からいきなりサティスファクション!え〜!!なんで〜!??アッパーでスウィンギンなサティスファクション、アレンジ最高にカッコイイ。ライブも盛り上がった。でも、もしも最後にサティスファクションを持って来てたら盛り上がり方はさらに倍増しただろう。 


なぜみんな1曲目に課題曲を持って来てしまうのか?ショートケーキの苺を一番最初に食べちゃうタイプなのか?SEXするときいきなりブッ込んで勝手にイッちゃうタイプなのか?この3バンド連チャン1曲目という不思議な現象に、企画者としてフラストレーションを抱え込む。


4バンド目、ザ・ボットンズ。 
いつものボットンズのライブがスタート。1曲目では無い(ホッ)。 
数曲ノンストップでブチかました後、フーがMCで「みなさん1曲目にやるんですね。あの曲は“やってもやってもまだ満足できねえ”って歌なんで、ボクらは一番最後にやります!」と言ってくれた。そう!そこなんだよ! 

最後にやると宣言した「サティスファクション」、フーはここでもうひとつの仕掛けを用意していた、まさかのヘドロがミックジャガー(笑)!!! 

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さすがボットンズ、正しい選択だ(笑)。 


実は、イベントはここでクライマックスを迎えていたのだが、ラウンジサウンズはこのままでは終わらせない。 


大トリ、YAJILOW-VEY(笑)。 
会場全体が「なんでやねん!」という空気に包まれた。 
ボットンズのときみんな踊りまくってた熱狂のフロアがこんな状態に...(笑)。いや、これ別にスベッてるとかいうわけではぜんぜんなくて、むちゃくちゃ面白いんよ。面白すぎてみんな遠巻きに見てる感じ(笑)。 

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最高のエンディングだった。さすがYAJILOW-VEY! 





お腹いっぱい満足(サティスファクション)できました(笑)。





実に面白かったし、勉強になるし、発見があるこの課題曲シリーズ。 

次回開催は、 

2/25キングクリムゾン「21世紀の精神異常者」ナイト。 
出演)火の馬/カルキンズ/if MASACA/Es Experiment/アダチ宣伝社/cuvboys 

3/18ニルバーナ「スメルズライクティーンスピリット」ナイト。 
出演)DONK!/カルキンズ/InとOut逆菩薩/白痴/ほか 



想像しただけでわくわくするね。 
この企画はみんな見に来るべきだよ。めちゃくちゃ面白い。

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