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10月10日。
『ヨコチンロックカーニバル2021』今年のテーマは〜俺たちは俺たちのオリンピックをやる〜。昨年は社会や現状に対する「怒り」のパワーが大きなモチベーションとなったが、今年はそこから一歩踏み出し「怒りながら笑う人」になりたかった。「泣きながら笑う人」にもなろうと思った。とにかく「人」に寄り添い「人」を大事にしたかった。
怒るのも泣くのも笑うのも「顔」だ。自分の言葉で叫ぶ顔!顔!顔!!!今年のヨコチンロックカーニバルは金メダルみたいなぴかぴかの「顔」がズラリと並ぶ顔のオリンピックとなった。その顔から吐き出される言葉にメッキなど塗られているはずがない。ミチさんの顔もちゃんとフロアにいたよ。
ちなみにサブステージ、太陽の塔に貼りついてた顔は、1964年の東京オリンピックで「オリンピックの顔と顔〜」と歌ってた三波春夫。10月10日という開催日も含めて頭からケツまで「俺たちは俺たちの五輪」を意識した演出。
当日は13時頃から出演者数人が集まってくれ、みんなでドタバタと会場設営から始まった。俺は「そこ右寄りにピンクのちんちん、その横におっぱいね!あ、金玉はあっちにぶら下げておこう!」などとテキパキ指示を出す。
今年も無観客配信だからブードゥーラウンジにお客さんは来ない、しかし、配信カメラの向こうにスタンバっている顔がたくさん浮かぶ。この一年で配信ライブの気持ちの持っていき方もずいぶん分かってきたと思う。みんな。
オープニングDJは「AKIRAのテーマ」芸能山城組のあの太鼓の音でドコドコとはじまる。そう!分かる人には分かるだろう。オリンピック開会式で廃案にされたmikiko先生案の採用だ。
トップバッターはボギー家族からスタート!歌詞を新たに追加した「ロックンロールのうた」から始めたのは俺なりの開会宣言。
配信ライブをかなりこなしたこの一年、子供たちのポテンシャルは頼もしいほど上がっていた(特に今ちゃんのロックスターぶり!)。
2ヶ月で思春期を終えたテンちゃんの復活バカダンスも家族のグルーヴに勢いを加える。
途中からnontroppoのメンバーが加わり、ボギー家族×nontroppoの大家族状態で「BON-ODORI」セッション!!
フロアで出演者がたまらず踊り出した瞬間、去年の配信とは確実に違う開放感を感じた。
そのままnontroppo三人体制のステージにスライドし「酒池肉林」「セックスマンボ」「赤い彗星」。
サブステージでthe camps安増裕章のボンゴ叩き語り。ぶ厚い手のひらで力任せにボンゴをバンバン叩きながら即興の詩を叫ぶというスタイル。「手が痛い…」と呟いてからが本領発揮!泣き叫びに変わる。
ボンゴ捨てて身体中をバシバシ叩く。いつも安増は感動的だ。「無様になるな!今夜だけはこのミラーボールの下で無様になるな!!」の叫びが胸を打つ。最後はギターで「夢はまぼろし」。超名曲!
ナルコレプシンはヨコチンロックカーニバル初出場。一音目からピキーンと張り詰める空気、かなり綿密に構築された高い音楽性とパンキッシュな佇まい。
パニックスマイルやロレッタセコハンにも通ずる福岡オルタナティブの流れを汲むめちゃくちゃにcoolなバンドだ。
ここで唐突にラウンジサウンズの人気企画「メガネ飛ばし王決定戦」をぶちこむ。弾き語りしながらメガネを飛ばすというただそれだけのことでなぜこんなにも面白いのだろう?
アンリ、トニーガーデナーは早すぎてメガネの軌道を捉えられず…。いつ飛ぶかドキドキしながら歌を聴くのも楽しい。
それにしても見よ!レジェンド・イフマサカ氏、圧巻の飛ばしっぷりを!
飛ばしたメガネをオーバーラップさせてイクマさんにメガネをかけさせようとする配信ならではの遊びも笑わせる。
そのままザ・ガーデナーズになだれ込み。アイリッシュベースだけど太鼓はアフリカのジャンベだったり色々ミクスチャー音楽だ。
サイキシミンとカシナポが賑やかしに加わりひたすらハッピーで踊れてビールが旨いTIME!
カメラ周りをぐるぐる回る踊り、配信で見たらめちゃ笑える絵になってた。
今年もやっぱり鈴木拓也の最高な顔が見たかった。カメラ、俺だったんだけどこれでもかってくらい顔面ドアップにした。原始人の歌と謎のミニ芝居、最高だったなあ。
ガニ股で歌うスズタクの股間の真下に潜り込んで撮ったりもした。配信であのアングルは誰も見たことないだろう。
佐世保から地球屋バンド、太鼓とギターだけのサウンドに四人の重厚なコーラスが祈りのように折り重なりとんでもなく素晴らしい!
チンチンやおっぱいがニョキニョキ生えたステージに植物や稲穂が飾られ、命の誕生みたいな美しい景色が見えた!これは全人類に届けたい音楽だと心から思った。
カレー食べたいなとふと思い前日の夜に急遽参加が決まったカヨカリのカヨさんがブードゥーに到着。無観客配信ライブなのにフードの出店って斬新よね。
カヨカリの具沢山なスープカレーはあっという間に完売!みんなごはん食べる暇もなくてお腹ぺこぺこだったからね。まじで美味かった〜!
カシミールナポレオン、片眉をその場で書くパフォーマンスはダルマの目玉入れみたいでめでたかった。今年は配信カメラを存分に活かしあらゆる笑いのツボを押しまくる攻めのカシナポ。
新曲「イッツオーケー」も爆笑。Kの歌が絶好調のヘタさで堪らずハクが何度も吹き出してた。
今年のチンロックいちばんの衝撃は広島からやってきた奇人・佐々木隆宏かも。
金色の全身タイツと狂気の表情、べらぼうに激しい動きで鍵盤弾きまくるが歌も演奏も抜群に上手いという謎のポテンシャル!全てが変!でもクセになる。配信のチャット欄もパニックなくらいに沸いていた。
ここで唐突に飛び入りゲスト、チャゲアス完コピ名人のK-ingによる「SAY YES」熱唱。配信で見てる人もしかしたらレコード流して口パクと思った人いるかもしれないけど、あれちゃんとまじで歌ってるから。それくらい完璧にASKAの声を再現!なんとご本人公認!
ライブハウスもスタジオもない街、佐伯市からやってきたサイキシミン。最高すぎ。これぞロックンロールバンド!人間くさすぎて泣けた。特に最後の「バカの歌」「街」の二曲は今年のチンロック最優秀賞ものの名演だと思う。
ただ、赤フンのちん毛が見えてたのでそこは減点(笑)。
ボギーのDJタイムには毎回仕掛けを用意した。ここでライディーンカラオケをブチ込む!YMOの「ライディーン」に勝手に自作詩を乗せるラウンジサウンズのヒット企画だ。
ボギー「手負いの獣」からアンリ「クレイジーボーイ」、
そしてgn8mykittenが圧巻の高速ラップで数珠繋ぎ。これ鳥肌モノ!
お待たせTHE VOTTONESの登場!「最下層エンターテイメントパンク」は俺たちのテーマ曲だ。過剰な爆音にブードゥーが揺れる!!
気付けば鹿子さんがステージ上で気狂いみたいに絶叫していた。ハクも弾けないギターを弾いていた。あぁ、求めていたライブハウスはこれだよと心が躍る!!!
鹿子さんが突然歌わされた「デベソ」!!あれは凄い。酔っぱらいが怒ってわめき散らしてるような滅茶苦茶さで極悪パンクだった。ちょっとあれは誰にも真似できないんじゃないか?途中画像が止まって怒鳴り声だけ聴こえてるくだりは爆笑した。
秋風リリーが踊り出すと一気に華やぐ。
着物の帯をイクマさんが引っ張りくるくる回りながら脱いでいく、配信なのでおっぱいは出せないが今にもポロリしそうだ。昭和の良き時代の芸能ここにあり!秋風リリーのキメ顔も笑顔もたまんなくカッコイイ。豊かに気持ちになれるからずっと見てたい。
漢方先生は天国へ行った愛犬への深い哀しみを一曲目に込めて熱唱しそのあとすぐ「さあ〜お次は漢方のソーラン節だよー!」と陽気に踊り出すという気がふれたような演出。
さらに秋風リリーも乱入してキングクリムゾンと梅沢富美男が融合した「21世紀の精神異常夢芝居」まじヤバイ!
この日のオクムラユウスケはイベント開始早々からずっとこの状態だった。誰も声をかけてくれるなという張り詰めたオーラを纏い、たった20分間のライブに向けてずっと精神を研ぎ澄ませていた。
オクムラユウスケ+内村耐寒。
「音楽で世界は変わらんが、変わってしまったこの糞みたいな世界が少しでも楽しくなるなら音楽やる価値はあろうが!!」とカメラの向こうに叫び、
無人のフロアにダイブして体を叩きつけたユウスケと、
フルパワーでビートを叩き続ける耐寒さん。鬼と鬼の闘いだった。
その頃、ブードゥーラウンジの楽屋はとんでもない状況になっていた…。
ステージから鬼の形相のまま汗だくで楽屋に飛び込んできた耐寒さん、こんなアホすぎる状況にもまったく笑わずにいられるのすごい。ユウスケはハードなステージ直後だというのに速攻でお化粧しててもっとすごい(笑)。
今年はgn8mykittenが実質的な大トリだ。
そしてその期待を遥かに超えてくれた!無伴奏で20分間止むことなく繰り出し続けたのはコロナ、政治、タイムライン、ライブハウス、この一年間の想いが乗った切実なリリック。何度も鳥肌が立ったし泣けた。黒目の奥に光るこの光こそが長いトンネルからの希望の出口見たいに感じられた。
gn8mykittenの感動的ステージのあといよいよシークレット超大物歌手の登場だ。勿体ぶったカーテンが開くとそこには美輪明宏のコスプレしたボギー、配信を見ていた全員がガッカリしたことだろう(笑)。
しかし「ヨイトマケの唄」ひと節ごとに増える美輪!
「♪母ちゃーん!見てくれこの姿」と叫ぶイクマさん!!!(配信見たひと全員笑ったと思う)
これで終わりなワケがない。再度カーテンが開くと今度は美輪明宏が15人に大増殖で「美輪ザ・ワールド」!!!
マイケルもディランもブルーススプリングスティーンもみんな美輪明宏!!!
黄金に輝くステージ、美しい輪と書いて美輪だ。
これが俺たちの閉会式!!!!
しかしこれでもまだ終わりではない…。
「美輪ザ・ワールド」大合唱のあと突如流れるダンスミュージック!!!あの曲だ。タイのカーショーみたいなのでボインな女性たちがぐだぐだで自由なダンス踊ってる動画で有名なあの曲だ。
みんな一斉に踊り出す!!秋風リリーも乱入し美輪明宏は総勢16人に!!!
最後はボギ八先生で「贈る言葉」(格好は美輪明宏のままヘッドバンギング)。
実に一年十ヶ月ぶりの胴上げだ。配信見てた人「いったい何を見せられてるんだ…」と混乱したかもしれない。
でも、こんな世の中で笑い合えたなら意味なんか無くてもいいじゃない。俺は腹の底から幸せな気分だった。
大団円のなかヨコチンレーベル大漁旗を掲げたステージで、首にぶら下げた金メダルをフロアに投げつけ「人から貰った金メダルはいらん!自分で作ったぴかぴかの手作り金メダルを自分で自分の首にかけろ!」と叫んだ。
今年のヨコチンロックカーニバルのメッセージは届いただろうか?
終わってすぐ会場の撤収作業。ヘトヘトに疲れてるだろうにみんな手伝ってくれたおかげでステージのチンチンやおっぱい、撒き散らした紙吹雪もアッという間に片付いた。
正直言うと個人的にこの一年はやりたいことがやれずにしんどかった。それはコロナのせいばかりではなく、社会や政治に振り回され徒労感ばかりが募る一年間だったから。「ヨコチンロックカーニバル2021」はそんな日々の中でみんなと一緒に見た7時間の楽しい夢だったのかもしれない。
今年は配信カメラを手伝ってくれた撮影部隊のセンスもかなり大きい。それは鹿子さんの編集者としての目線や信頼できるミュージシャン仲間たちが狙ったアングルを確実に撮りに行ってくれたからだと思う。
「ヨコチンロックカーニバル2021」は、撮影隊とブードゥースタッフ!全身全霊でステージに立ってくれた出演者たち!そして配信を見て盛り上がってくれたお客さんとが三位一体となって作り上げた祝祭だったんだろう。本当にみんなありがとう〜〜〜!!!!
そしてこのレポに載っている写真を撮ってくれたカメラマン・橘ちひろさんにも大きな感謝を!
あの日の記録は10/24までアーカイブとして残っています。消える前にどうか見てください。記憶に残してください。
『ヨコチンロックカーニバル2021』
アーカイブ👇
https://twitcasting.tv/c:thevoodoolounge/shopcart/102738
チンロックのあと、残った数人と公園で乾杯した。やりきって、ボロボロに疲れていた俺は気絶するように寝てしまったようだ(記憶がない)。
翌日、昼ごろ目を覚まして昨日のことを思い出す。まだ余韻が残りすぎてぼんやり幸せな気分に浸っていると、夕暮れ時にヨレヨレになった鹿子さんがウチに来た。昨日のことについていろいろ話し合う。「昨日のチンロックで長い暗闇からやっと抜け出せたような気がするね」という感想で一致した。お互い満身創痍ガタガタだが心は爽快だ。
2021年の夏がやっと終わった。
カシミールナポレオン(魔界)
世界でいちばん激安なヴィジュアルで魔界からやって来たと言う設定で変わらない味を守り続けて20数年!!愛されている、そして俺が知るかぎりこの世で最も笑わせてくれる悪魔。
サイキシミン(佐伯)
ライブハウスどころかアンプで大きな音を出せる場所すらない町で、溜まり溜まった怒りと悦びを叫ぶ大バカ野郎4人によるピュアスピリッツ・ロックンロールバンド!!
地球屋バンド(佐世保)
天女の如きおきつななこの歌声、その声を天に届けるため鳴らされる太鼓とギター。それはとても原始的な、音楽と人の暮らしがもっと密接だった時代の、豊作を祝う祭りのような音楽。
佐々木隆宏(広島)
超絶にアクの強いピアノマン、卓越したテクニックも一瞬でふっとぶパフォーマンスのバカっぷりと狂気の顔芸に目が釘付けになること間違いなし!面白過ぎますこの人。
nontroppo
結成20年を超えまたぐるっと一周、ギター、シンセ、ドラムのシンプルな3人編成となり削ぎ落とした音楽へと立ち返る。エモさを排しエロさを醸し出すサウンドを目下模索中。
オクムラユウスケ+内村耐寒
表現の限界を軽く越える化け物2人が身体能力すべてを使いきり全身全霊で生命をほとばしらせ、チンチンが勃つ感動を叫ぶ。一線を越えたハードコアパンクの先には五感が喜ぶ世界が待つ!!
THE VOTTONES
最もうるさくて最も暴れさせてくれて最もバカで愛があるロックバンドがボットンズだと思ってる。言葉はなんにもいらない、俺達が大好きなロックンロールがここにある!!
ボギー家族
ボギー、モンド、天晴、今、ベイビーの5人による自然発生的ロックンロール家族バンド!!車一台で全国を演奏ツアーしながら現場で鍛われてきたそのグルーヴはとにかく自由!!
漢方先生
ダイナマイト過ぎる歌声と豊満なボデー、そしてド迫力なプログレッシヴハード歌謡でフロアを酔いどらせる酒の女神。いつだって紅白歌合戦の大トリの貫禄で歌い上げる!
gn8mykitten
マイク一本、言葉のみで勝負を挑む無伴奏ラッパー。飛び散る汗、ヒリヒリする緊張感、嘘偽り無いリリックの切実さ、畳み掛ける言霊の嵐に心えぐられること間違い無し。
秋風リリー
昭和のエロスを感じる踊りと表情、わがままなボデーを惜しげもなく、時には金粉ダンサー、時にはショーダンサー!祭りをもっともっといかがわしく輝かせる肉体的な踊りを魅て!!
ナルコレプシン
「展開と隙間の音楽」をコンセプトにニューウェイブパンク~フリージャズ的なサウンドと、素っ頓狂なサックスとボーカルが炸裂する!!台湾や韓国にもアプローチした活動も積極的。
ザ・ガーデナーズ
ギター+ジェンベ+アコーディオンによるミクスチャー・アイリッシュミュージックを奏でる3人。とにかく酒が美味くなる!!とにかく踊りだしたくなる!!お祭りを楽しく彩る音楽を!!
安増裕章(the camps)
情けなくて、格好わるくて、だけどめちゃくちゃ美しいボンゴの叩き語り!!そもそもボンゴのちゃんとした叩き方なんか知らない、涙もよだれもぐちょまみれでのたうつ恍惚のロックンロール!!
鈴木拓也
十数年ずっとヨコチンレーベルから絶縁されてた男・スズタク。酒もやめ、ひと回りでっかい男になって帰ってきた!!唯一無二の言語感覚と作曲センス、そして歌い顔から放たれる圧倒的エネルギー!!
イフマサカ
ありとあらゆるラウンジサウンズの企画モノに悠然と挑むスピリッツは生きる勇気を与えてくれる。ユーモア溢れる切り口のMCが味わい豊かな空間を創り出す小笹のストーリーテラー。
アンリ
井上陽水とB’zをねじくりあげたような歌い方とセンチメンタルな歌詞で独特のアンリ世界を作り出す。たまにやらかすところもあるがそれもチャームポイント。
超大物歌手(シークレット!)
まさかの超大物がチンロックに降臨!!今年の大トリを飾るのはこの人しかいないっ!!!!!
DJボギー
確かな信頼と実績を誇り続けて25年、ヨコチンレーベル代表。この日は司会にDJに自身のライブ、さらに配信カメラ撮影までギンギン盛り上がる気マンマンの47歳。
配信チケット)¥2000(アーカイブ2週間見放題)
※ツイキャス配信チケットはこちらからご購入ください。
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