今年もヨコチンロックフェスティバルが終わった。

一言でいえば「すっげぇ祭りだった!」ってことなのだが、その「すっげぇ」雰囲気を少しでも伝えたいのでしっかり文字で書きます。(とても伝えきれるもんでは無いけれど)

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9月26日、快晴の土曜日。日程的にミュージックシティ天神や百道でのSEACOAST SOUNDS FUKUOKAなど無料で見れる野外フェスとまるかぶりしてしまったので、集客に関しては胃が痛くなるほど不安だったんだけど、しかしその不安はまったく杞憂だった。終始VooDooはお客さんで溢れていたし、バンドもお客さんも放出する熱気は去年を越えるほど。それはもう主催者にしてみれば心底嬉しいことで、ひとりひとりに抱きついてキスしたい気持ちを抑えるので精一杯(笑)。あっちこっちハシゴしながらもちゃんと来てくれたお客さんも結構いて、ホントありがとね!


14時半チンロック開幕。まずはラジオ体操からスタート!
10時間に及ぶ長時間フェスなので身体を動かしてかるく温めるのは非常に良い。そしてラジオ体操をみんなでやるのは異常に楽しい(笑)。

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会場の片隅ではモンドの似顔絵屋さんも開店、お客さんやバンドマン達をひっきりなしに描いていた。

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腹が減ったらカレーだ!フェス飯もあるぜ!!甘さと辛さが絶妙〜!!!

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チンロックのオープニングを飾ったのは吉浦優希!和太鼓叩きながら「WE WILL ROCK YOU〜チンロック讃歌バージョン〜」で登場し大いに笑わせる。「もう俺はこのステージで死んでやる〜っ!」って絶叫し、とつぜん口のまわりに冷却スプレーを吹き付け、真っ白に凍りついたくちびるで「イテテテ」と悶絶しながら「俺はホモだー!」と歌う...意味不明すぎて腹痛てえ(爆笑)!!

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最後は和太鼓の上からストンッて安全に飛び降りて終了...(笑)吉浦くんをオープニングに指名して大正解だった!もうこれ以上の面白いオープニングは他に思い浮かばない。


間髪入れずメインステージでゴールデンブラザーズの爆裂パンクなステージ!!!チンロックに出るバンドは1番目とかトリとか関係無しに、全バンドがトリの気持ちでステージあがってる(と思う)。たった20分の持ち時間の中で、すべてをぶつけ、出し切り、次のバンドへバトンを投げる。

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そのバトンを受け取って鮫肌尻子とダイナマイト。尻子が真っすぐに「いちばん大事なイベント」と言ってくれて嬉しかった。今年はフライヤーのイラストも尻子が描いたんだけど、あのイメージも今年のチンロックにぴったりだ!まだ昼間なのにぐんぐんヒートアップするチンロック!

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サブステージで劇団ヒロシ軍はこの日唯一の劇団としての参加。チンロック初参加でおそらく他のバンドのステージ見てめちゃくちゃ熱くなったんだと思う。お芝居でいちばん大事だと思われる“間”とかが全部飛んじゃって、勢いが先走っちゃってたけど(笑)でもそーいう感じも含めてお客さんみんなには微笑ましく伝わってたと思う。アウェーでよう頑張った!と拍手が温かかったもん。

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ステージではthe camps。いきなり安増のボンゴ叩き語り!即興で吐き出す言葉の生々しさ、まさにライブ!ギターに持ち替えてからは、ぬらぬらとドス黒く照り輝くロック。the campsの音楽は艶かしい。

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ここでシークレットゲストは、ほとんどの人にバレてたけどフォークイナフ(笑)。夜、百道の野外フェスのほうに出演なのに「昼ならやれるけんチンロック出してよー」と言うので「いいよー!」と2週間前に決定(笑)。フロアにドラムセットからアンプ機材一式を全部持ち込んで3曲にぎゅっと絞った良いライブ!最後に俺がいちばんテンション上がる曲「jimi NERV」で大暴れだったので大満足!!

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このあと機材また全部車に突っ込んで百道行ってライブして、最後またVooDooに戻ってきてたからね(笑)。タフやね。


続いてINN JAPAN
映像やあらゆる小道具&小細工を駆使して架空のグラミー賞をVooDooにブチ込んでた(笑)。海援隊から永ちゃんからジョンレノンからX-JAPAN、さらにホークス優勝まで!やりたい放題!支離滅裂!これぞINN JAPAN(笑)!!

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「お前はお前のグラミー賞を獲れ〜!!!」ってなんとなくカッコイイけどよくよく考えるとまったく意味不明な迷言も素晴らしかった(笑)。

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サブステージでカシミールナポレオン
INN JAPANとカシナポの関係は同期であり盟友でありライバルなのだ。だから久しぶりに並んで出演するのは熱い流れなんだけど、カシナポなのでまったくその熱さを感じない(笑)。大爆笑の渦の中、最後にKがアルミホイルで作ったドラムセットに飛び込んだ!!小さなクシャッという音がした。

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この爆笑に継ぐ爆笑の流れから百蚊!!フロアは火が着いたような盛り上がり!前半のピークがここだ!女性Voである梶原さんはギターごとフロアにダイブして人の波の上を踊っていた。最後はベースアンプの上で仁王立ち。この人、卑弥呼みたいやなと思った。

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普通のイベントならここで終わっても充分に満足だろう。でもチンロックは“満足”の遥か彼方にある“極致”まで行かないと終わらないという狂気の祭りなのだ。


その狂気の扉を開くのはもちろんこの人しかいない、林まゆだ!
(光)とか(闇)とか書かれた謎の段ボールの壁を破って登場(笑)!!あとはひたすら面白すぎて爆笑の嵐!!何度見ても衝撃的、この人は本当に逸材だと思う。

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2日前に作ったという「誰か一人でいいから私を好きになって」と歌う新曲は痛い、ズキズキ苦しくなるほどの悲しい痛みがある。でもそのあと「HOW×3」で再び大爆笑させてくれるのがまた凄い。林まゆは天才や!


林まゆの余韻でどよめく中、メインステージは間髪入れずに白☆星。Vo福本からはチンロックに出たことの喜びがストレートに滲み出てて、もうずいぶん長い付き合いになる白☆星だけど、やっぱ今年誘ってよかったなーって思った。で、今夜聴きたかった「WENDY」を最後にやってくれてグッときた!

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続けて魚座。こちらも同じく長い付き合いだけど初登場。燃え狂うような熱い演奏が続く中、ちょうど真ん中あたりに魚座の淡々と飄々とした音楽がたまんなくオアシスに感じるのだ。酔いが回るわ〜。

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い〜い塩梅のままサブステージでは三味線の音が鳴りはじめる。弁天図紋吉さんはスラッと長身、着物姿にアフロヘア、切れ長の目は涼しげに、艶のある声で歌うのはエロい春歌!大人のとんちがいっぱい詰まった掛詞は面白すぎて耳が覚める!

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会場には子供連れのお客さんもいるなか、紋吉さん「チンコ〜まんこ〜」の連呼(笑)。こういう言葉に子供の耳を塞いではいけない、性教育は学校ではなく、こういう場所で自然と学べば良いのだ!そして祭りにエロスは必要不可欠なのだ!!ヨコチンロックフェスに紋吉さん出てくれたのが俺はすごく嬉しい。


もうここまでくると、お客さんは何でもあり!逆にもっとくれ!という状態になってる。


○菌の登場!強烈なビート感に頭が覚醒!フロアは再びガソリンを撒いたように燃えさかる!服を脱いで裸になるとコルセットを巻いているVo岩谷さん。シャレで付けてるのかと思ったが、あとから聞くと肋骨が折れてるのにライブやってたらしい!すっげー!!それであんな暴れながら歌えるもんなの!?しかも50歳すぎてるのに!?超人や!!!!!

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そう、超人たちが集まってこそロックフェスなのだ!!!!!


続いてフロアでODORUいんどじんのインドダンス。○菌あとで踊りすぎてみんな一斉にお酒買いにいくのをインド人ニラさんOKORU(笑)!「チョット〜!ミンナチャント見テヨ!モー踊ラナイヨッ!」なかなか踊らないニラさんに爆笑。でもやっぱり最後は“あの踊り”を大人も子供もみんなで踊って楽しく盛り上がる鉄板!!

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さあ、そして今年のチンロックの目玉はズクナシ!あらゆる音楽の万博状態となってるチンロックだけど、意外とソウルミュージックの出演者は過去にも少ない。それは、ソウルミュージックやってる人の“ソウル”と、俺が感じる“ソウル”に違和感があるからだと思う。しかし!ズクナシの“ソウル”には音楽のジャンルを超えた人間の“ソウル”があるから今年チンロックでぜひみんなに見て欲しかった!

1曲目からお客さんたち「ヤバい!」「かっこいい!」の声。歌唱力も演奏力も高い上に人間力も高いのでエンターテイメントとしてほんとプロ!縦横無尽に大騒ぎのフロアが横ノリにユレだす。

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そして俺が今年のチンロックで一番聴いて欲しかった歌「We Sing One Voice」を歌ってくれたとき、会場全体が大きな“ソウル”に包まれて感動の波が押し寄せた。こりゃ泣く〜!!!


ブルースやファンクは黒人のものとか、ロックは白人のものとか、ぜんぜん関係ないと思う。モノマネとかじゃなくて自分から絞り出てくる音楽はすべて“ソウルミュージック”だと思ってる。
こういう本当の歌が、紅白歌合戦で聴きたいよなあ。


ズクナシで終わっても間違いなく大満足の夜なんだけど、チンロックはまだまだ一向に終わんない!“満足”の遥か彼方にある“極致”まで行かないと終わらないのだ。


ここでnontroppoの出番。テンションはギンギンに張り詰めているが、さざ波ひとつ立ってない湖面のような心境だった。つまり、絶好調!タテノリでもヨコノリでもない踊りを踊らせたい、いつもそう思ってる。ぐるぐる回るようなノリ。渦巻きのようなグルーヴを目指している。今年は鉄板曲の「ナイトオブトロピカリア」と「赤い彗星」はあえて外し、最後に「ボルチモア」を演奏した。

フェスでこの曲、普通はやらんと思う(笑)。でもそんなのおかまいなしに、受け止めてくれるお客さんたち。すごいね、熟成された関係性だね。

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終わってべろんべろんに酔った魚座の藤井くんから歌詞について褒められたのがえらい嬉しかった。



過酷な連日ツアーから帰ってきたばかりのTHE VOTTONES、しかし疲れた様子など微塵も無い!ギラついた目でぎゃんぎゃん鳴らす!爆音の渦!!さすがボットンズ!お客さん呼応してこれでもかと盛り上がる!!人の上を人が舞う!!昼間っからずーっと踊りっぱなしなのにどこからその体力湧いてくるんだ!ってくらい大狂乱(笑)。

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これだよこれ!ロックンロールのシンプルな答えは!!

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汗だくのぐっちょんぐっちょん状態、11時過ぎ。終わるよね、普通はこれで。しかしチンロックの目指す山頂はさらにさらに高い場所!超ドSな祭りなのだ!この辺から高山病(ただの酔い潰れ)にかかる人も増えてくるが、ほとんどの人はさらに目がギラついてる!!!


ここで一息、オアシスが必要だ。


ノンチェリー&シゲちゃんのスットコドッコイなおとぼけステージ(笑)!まさに和みの時間。最近なんか“ゆるい”って言葉がPOPに使われがちだけど、この二人の“ゆるさ”は人間性から滲み出るほんとうの“ゆるさ”だから眺めてて楽しくて仕方がない(笑)。フロアも愉快にゆれるゆれる!

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でもちょっと気持ち良くて長くなり過ぎたので最後の曲いく前にフィニッシュ。シゲちゃんご自慢の金玉は出せずじまい(笑)。


残すは2組!


BLUESVILLEが多幸感いっぱいのステージ!ブルースってこんなにも踊れるものなのか!?ってくらい踊らせてくれる。最後は「ステージ上がっておいでよ!」のかけ声で出演者もお客さんたちもステージになだれ込み乱交パーティー状態!ステージ上から見える景色は絶景!誰もがまぶしい笑顔で踊っていた。

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昨年のチンロックでトリを務めたBLUESVILLEが見せてくれた山のてっぺんはこの景色だったのだ。しかし今年のチンロックは、そこからさらに上の景色が待っていた!!!


いよいよ大トリ、飢えた狼みたいな顔つきになってるオクムラユウスケがサブステージで演奏開始!一時間以上押してもうすでに日を跨いでいたが、お客さんは減ること無く、いっぱいだ。みんなすっごい期待感でステージを凝視してる。

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ギンギンの状態でサブステージ弾き語り2曲、そのまま「うぉりゃあああ!!」とメインステージに移動してバンド編成で後半に突入するという流れ!オファのときユウスケをトリに指名した数日後「後半はバンドでやってよ、メンバーはユウスケが集めて。」というムチャ振りをしたのは俺(笑)。それに応えてユウスケが集めたメンバーはギターにパニックスマイルの吉田さん、ベースにウマノイの北里さん、ドラムに元・雅だよ雅のみわこちゃんという鉄壁のバンド演奏!

信じられないかもしれないが、これがユウスケにとって生まれて初めてのバンド演奏だ!!!

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すごかった!全身の毛穴がぎゅうっとなって産毛が逆立ち、息を吸うこともまばたきをすることも忘れそうなくらいすごいものを目の当たりにした!!!


人間が極限まで魂を純化させて爆発させたらここまでのエネルギーを生みだせるのだ。
誰にでもマネできるものじゃない、これはユウスケの才能だ。

今のユウスケだからこそ到達し得たステージなのだ!!!


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「生きてる生きてる生きてる生きてる!!チンチン勃ってる!生きてる勃ってる!!!」




最後は「SOSUFO」で「ぼくは宇宙人です!!」と叫び、山の頂上から一気に宇宙までぶっ飛ばしてくれた。


痛快だ!


痛快すぎて泣けてくる!!



ステージに駆け上がり、兄弟でガッチリと握手!!!

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もう喜びが炸裂しすぎてエライことになってる(笑)。

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今年みんなが山の頂上で最後に見た景色は、これ(笑)。

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ありがとうユウスケ!
弟であり、やっぱり最大のライバルだ。


こうして深夜1時に見事な大団円の中、ヨコチンロックフェスティバルは終了。出演者もお客さんもみんな全力でエネルギーを放出したから終わったあとのぐったり感もすごい(笑)。しかし祭りは全力で参加するからこそ面白いのだ!!精も根も尽き果てるまでやんなきゃツマラナイ!!!



ボギーは一年間の“魂の山場”をここに持って来ている。チンロック始めて12年目になるけどその想いは年々高まってて、特に今年は思うとこあって“地元バンド中心のブッキング”にしていたのでなおさら。思うところとはつまり“地元の音楽や人が主役じゃない祭りならどこでやったって同じじゃないか!”という思い。

これだけ全国各地でフェスと名の付くものが開催されているのなら、ヨコチンロックフェスティバルは福岡でしかやれないフェスがやりたい!村祭りで良いのだ!!そう、フェスなんてヨコ文字の言葉より本来の“まつり”という言葉が似合うような、そんな祭りを続けていきたい!!!



だからヨコチンロックフェスティバルという名前、来年からは「ヨコチンロックまつり」に変えます(笑)!!!!!



わっはっは!どーだ!ダサイだろう(笑)?



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チンロックは山登り、頂上まで登ったら今度は下山しなきゃ行けない。

ブログは後半戦、チンロック名物の打ち上げ編へとつづく(笑)。