1月12日。


デビッドボウイの訃報が世界を駆け巡る数日前、たまたま息子にデビッドボウイの似顔絵を描かせていた。

デヴィッドボウイ


訃報のあとSNSはボウイのことでいっぱいに埋まった。みんなが語るデビッドボウイ。知らなかったボウイのエピソードをたくさん知れば知るほどに「なんてかっこいい男なんだ」としか言いようが無い。


その日は朝から部屋でデビッドボウイの昔のライブ映像を見ていた。
デビッドボウイの写真や映像を見るのは好きだ。特にジギーの頃の。やっぱり、時代を越えても抜群にかっこいい。あのステージをリアルタイムで体験した人はさぞかしすごい衝撃だったろうな。今夜はラウンジサウンズでボウイの曲を流そうと思った。邦訳の歌詞を読んでかっこいいなと思った「チェンジス」を流そうと思って部屋のCD棚を探すが「チェンジス」の入ったアルバムはどうやら持っていなかったみたい。っていうか、俺、アルバム「ジギースターダスト」しか持ってないやん...。

ボウイの音楽、実はいままで熱心に聴いてこなかったんだ。


それでボウイのアルバムを買おうと思ってVooDooに行く途中にある中古レコード屋「グルーヴィン」に寄った。手に取ったのはデビッドボウイのベスト盤400円。「チェンジス」も入っている。


そのとき店内ではラジオでデビッドボウイ追悼番組が流れていた。DJの人がボウイの凄さをハイテンションで語っている。「今SNSでみんなボウイのこと語ってるじゃないですか?今までそんな好きじゃなかった人までまるで流行に乗っかるみたいにボウイのこと追悼してて、そういうのってなんだかな〜って思っちゃうんですよねえ」とか言ってる。


俺は手に持っている400円のデビッドボウイベスト盤が急激に恥ずかしくなってしまった。


グルーヴィンにはいつもライブのフライヤーなどを置いてもらいに行ってるから店員さんはもちろんボギーのことを知っているだろう。「あれ?ボギーまさかボウイ持ってないの?しかもベスト盤てw!高校生か!」と心の中で笑われるに違いない...。さすがにこれだけ買うのは照れくさいので他にも何枚か買おう、何枚かあるうちの一枚が400円のデビッドボウイベスト盤なら照れくささもカモフラージュされるだろうと思い店内を物色した。が、財布には1000円しか入っていないことを思い出して絶望的な気持ちになってきた。


俺はアホかと、
なぜ俺はこんなつまらない葛藤を心の中でしているのだろう。だいたいデビッドボウイのアルバムをそんなエロ本買うみたいな気分で買っていいのだろうかと自分を責めた。

 
ごめんよボウイ。自分の自意識過剰を思い直し、正々堂々と
400円のデビッドボウイベスト盤をレジに持って行く。店員さんは何も言わずに400円のCDをさらに2割引の320円にして売ってくれた。

12400914_807818309343721_8375159076223215578_n



その夜、俺はVooDooLoungeのスピーカーからでっかい音で「チェンジス」を流しながら、かっこいいなあデビッドボウイ。 俺、これからはもっとちゃんと聴くよ!とボウイに謝った。