ライブハウスが面白いのはまだ誰も成功者じゃないからだと思う。
成功者と成功者を見に来たお客さんしかいないライブなんか盛り上がるに決まってるけど、平日のライブハウスにはそんな保証も約束もない。どこの馬の骨かもわからん奴らが必死の形相で歌ってる。だから面白いのだ。
狂乱の祭りだったラウンジサウンズカーニバルの翌日、ブードゥーラウンジではまたもや狂乱の一夜が。
ボットンズ企画に誘われた。カーニバルの翌日は間違いなくズタボロのヌケガラ状態だから普通なら断わる話だが、ボットンズに誘われたら「出る」という選択肢しかない。だってあいつらいつも俺が誘う企画を断らないから。どんなにズタボロでも出るのだ。声が枯れてまったく歌えないけど…(笑)。
ライブが始まった。昨日のカーニバルにも出た鮫肌尻子とダイナマイト!めちゃ炸裂しとる!なんやこいつら!ここに来て最高のライブぶちかましてきた!今迄みた中で最高のライブ!!尻子が煽ってきた。カーニバル翌日でくたくたとか言ってねーで今できる最高のライブやれと、言葉ではなくステージで煽ってきた!やったるわい!
尻子たちもボットンズもボギーもカーニバルでくたくた、オクムラユウスケもツアー帰りでくたくた、みんな笑えるほどくたくた(笑)。でも!だから!盛り上がるしかねえ!
ユウスケ、筋金入りのバカだな。くたくたのボロボロのくせにいつも以上のバカをやる。腕が攣ってもギター弾き倒す、声が枯れてても叫び倒す、フロアに飛び込み暴れ倒す!あしたのジョーやな。お兄ちゃんもがんばるよ(笑)。
メインステージのワッツーシゾンビがハイテンションでフロアを沸かす!
ワッツーシからサブステージのボギーへの流れ、アンコール起きてたけど、ワッツーシはもうかたずけに入っていた。そのアンコールを掻き消すように歌い出してしまった。歌わずにいられないタイミングだった。今夜ははっきりと戦いの空気が流れていた。
朝から声がまったく出なかった。とてもライブできる状態じゃなかった。だから敢えていちばんキーの高い曲を一曲目に持ってくることで自分にプレッシャーをかけて挑んだ。本番では自分でもびっくりするくらい声が出ていた。人間の脳と身体ってすごい!
トリは主催のボットンズ、現ブードゥーラウンジでやる最後のステージ。気迫が凄まじい!俺はこの現ブードゥーラウンジでやってるボットンズをいろんな場所から眺めてみた。
この角度も、この位置も、見納めだ。
でもやっぱりボットンズはフロアに飛び出して出来るだけかぶりつきで見るのがいちばん楽しい!クソうるせーけど、いちばん生きてる感じができるのはやっぱりフロアにかぶりつきだ。
名曲「藤田のおっさん」で藤田のおっさんがみんなに胴上げされた。まるでおじいさんが無理矢理に胴上げされてるかのような「やめてくれ〜やめてくれ〜」みたいな姿で担がれてて最高に面白かった!今夜のボットンズの沸点は間違いなくここ!
そんなボットンズの「藤田のおっさん 」が最高潮に盛り上がってる時に、だいぶ酩酊した女の子がステージに上がり頭から落下して気絶!演奏は中断、場内は騒然、胴上げされてた藤田さんはそのまま救急車を呼びに飛び出した。
ライブ中断状態のまましばらくして救急隊到着、女の子は目を覚まし病院へ搬送。ボットンズは最後に一曲だけ「ロックンロール」を演奏した。「♪最高の酒と〜最高の女〜」じゃねぇよと思いつつ気が付いたら俺ステージからダイブしてた。みんながめっちゃ大事に支えてくれた(笑)。
後日談だが、あの気絶した女の子、大丈夫だったらしい。よかったよかった。
ライブには当然ケガもある、俺も昔ボットンズのライブで誰もいないフロアにダイブして腕を骨折したことがある。バンドは最高のライブをやっただけ、悪くない、すべては自己責任だ。だからこそ言うが今回の主役はあの酔いどれの女の子だと思う(笑)。おかげでブードゥーはこれぞライブハウスって面白さが充満していた。一生忘れない。
コメント